最后的愛、最初的愛
- 出版社/メーカー: 松竹
- 発売日: 2004/05/25
- メディア: DVD
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2003年の年末に映画館で観た映画。日中合作のラブストーリー。3年振り2度目の観賞。同時に同じ男に恋をしてしまった姉妹、そしてそれを見守る父親。何といっても父親の眼差しがあったかい。どっちも自分の娘。しかしとある事実を前に、それぞれへの対応は異なる。切ない映画だ。
家族想いの姉・ミン。彼女に想いを寄せる早瀬が、ミンにこう迫る。「家族がどう思うかじゃなくて、君はどうしたいの?」。この一言でミンは、家族を想うがあまり自分の意思や希望を二の次にしてしまっていることに気付かされる。こういう一言、とてもとても大好き。「自分の意思や希望を二の次に」というより、むしろそうやって自分の想いを封じ込める癖がついているよう。まわりがどう思うかじゃなくて、君はどうしたいの?まわりを想う優しさも、時と場合ですな。
主人公の早瀬を演じた渡部篤郎は、非常にいい演技をしていたと思う。絶望、憎しみ、揺れ、そして希望。それらを巧く演じていた。彼の演技から一貫して感じられた、“諦め”のようなものは、強く私を揺さぶる。「この先 危険につき 立ち入り禁止」。そんな看板を目にしているよう。
灰色・灰色・灰色。そんなイメージの映画です。