形あるもの 消え行くもの

出棺、火葬、葬儀。涙雨と呼ぶにはあまりにも激しい雨。昨日までの暑さが嘘みたい。最愛の夫に別れを告げる彼女の姿が切なすぎる。火葬した彼の体からは綺麗な「お舎利様」が。「亡き人と似てる顔」になるらしいその第二頚椎は、不思議と穏やかな気持ちにさせてくれる。急遽選出されたA氏による弔辞。事前に考えたものではなく、リアルタイムでこぼれてくる言葉だからこそ我々の胸を揺さぶったのだ。亡き人がどんなに妻を愛していたか、ひしひしと伝わってくる弔辞。この慌しさから抜け出した後、“彼の不在”を嫌と言うほど感じさせられるのだろう。